無料で使えるビンテージEQ:Sonimus「SonEQ」

DTMを始めたばかりの人から、長年MIXを続けているユーザーまで、
いまだに「これだけは外せない」と語る人が多い無料EQ――
それが Sonimus「SonEQ」 です。

無料でありながら、太く・温かく・味のある音 を作れることから、
YouTube界隈やDTMブログでも長年人気の定番VSTとなっています。
今回はその魅力と「どんな場面で使うと効果的か」を中心に解説します。


1. SonEQとは?(無料なのに超高品質)

Sonimusが提供する無料のアナログモデリングEQで、
3バンドEQ + Pultec風Loブースト/カット + サチュレーション(Drive) を搭載した多機能プラグイン。

特に人気の理由は、

✔ 無料なのに“アナログ味”が強い

✔ ローを太くできるPultecスタイルのEQ

✔ Driveで倍音を加えて音を前に出せる

✔ CPU負荷が非常に軽い

という4つ。

これ一本で「EQ」「質感付け」「音の存在感アップ」が全部できるので、
初心者にもプロにも使われ続けています。


2. 各コントロールの特徴(わかりやすく解説)

LOW + Pultec風 LowBoost / LowCut

Pultec型の“ブースト&カット”が同時にできる名物セクション。
これにより、“ローを太くしつつスッキリさせる”という、
市販EQでは難しい処理が簡単にできます。

  • キックの重量感アップ

  • ベースに丸みを追加

  • ボーカルの低域を整える

どれにも効果的。


MID(ピーク型EQ)

音の芯・存在感・キャラ付けを担うのがMID。
SonEQのMIDはアナログEQらしい“柔らかい効き方”で、
デジタルEQ特有のカリカリ感が出ません。


HIGH(シェルビングEQ)

HIGHは強調しすぎると耳に痛い帯域ですが、
SonEQは自然で音楽的に持ち上がります。

  • ボーカルの抜け

  • アコギの“シャラッ”とした質感

  • シンバルの空気感

このあたりに最適です。


DRIVE(サチュレーション)

音に倍音を加え、前に出すための必須機能。
SonEQのDriveは“アナログっぽい温かさ”があり、
特に薄い音源に命を吹き込む役割を果たします。

ボーカル・ベース・ドラムのどれにも有効。


3. SonEQ はどんな音源に向いている?

✔ ボーカル

高域を自然に持ち上げられるので、
耳に痛くない“抜けの良さ”が作れる。

✔ キック・ベース

ローの太さを自然にコントロールできる。

✔ シンセ(特にパッド)

Driveでアナログ感を加えると立体感が増す。

✔ ドラム全般

Lo、Hi が音楽的に効くので、まとまりが出やすい。

結論:ほぼ全トラックで活躍する万能EQ


4. 長所と短所

長所

  • 無料で手に入る最強クラスのアナログEQ

  • 音が太くなる(ローが特に良い)

  • Driveが優秀

  • CPU負荷が軽く、複数インサート可能

  • 初心者でも扱いやすいインターフェイス

短所

  • 設定値を数字で細かく管理する用途には向かない

  • “精密な補正”より“音楽的なトーン作り”向け

  • アップデート頻度は少なめ


5. 他の無料EQとの比較

プラグイン 特徴
TDR Nova 精密な補正向け(ダイナミックEQ)
Black Rooster Audio Canary パンチ強化向け
SonEQ ビンテージ質感+太さ作りの王道

TDR Novaが“修正用”なら、
SonEQは“キャラクター付け用”という位置づけです。


6. SonEQ の使いどころまとめ

  • とりあえずミックス開始時に挿して“音の芯”を作る

  • ボーカルに空気感+温かさを加えたい時

  • キック・ベースの太さと締まりを両立したい時

  • シンセやパッドの存在感を前に出したい時

無料とは思えないほど、
“音楽的に美味しいEQ処理”ができるのが最大の強み。

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